家を売却するといくらかかる?費用の内訳・税金・手元に残る金額まで徹底解説!
マイホームを売却するとき、気になるのは「いくらで売れるか」以上に「実際に自分の手元に残るお金はいくらなのか?」という現実的な問題ではないでしょうか。
- 「仲介手数料っていくら?」
- 「税金って思った以上に高いって聞いたけど、本当?」
- 「確定申告って、必要?面倒そう…」
こんな疑問や不安を持って検索してきたあなたは、間違いなく正しい第一歩を踏み出しています。
この記事では、家を売却するときに必要な費用や税金について、「何に、いつ、どれくらいお金がかかるのか」を徹底的にわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 家を売却すると、どんな費用がいくらかかるか知りたい
- 譲渡所得税や確定申告など、税金面の仕組みが不安
- 3,000万円特別控除や節税制度を損なく使いたい
- 最終的に手元に残るお金を計算したい
- 売却後の資金計画を立てて、次の住まいに備えたい
家を売却するときにかかる費用の全体像

家を売却する際、「売れた金額=そのまま手元に入る」と考えてしまいがちですが、実際にはさまざまな費用や税金が差し引かれます。
これを理解していないと、資金計画に狂いが生じるだけでなく、新しい住まいへの移行にも支障が出る可能性があります。
まずは、どんな費用が、どのタイミングで、どれくらいかかるのかという全体像を把握することが重要です。
家の売却で発生する費用は「8〜10種類」ある
家の売却にかかる費用は、基本的なものからケースによって発生するものまで含めて、おおよそ9種類程度あります。
費用項目 | 内容 | 相場 |
---|---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 | 最大で「売却価格×3%+6万円+消費税」 |
印紙税 | 売買契約書に課される税金 | 1万〜6万円(売買価格による) |
登記費用 | 抵当権抹消登記など | 2万〜5万円前後 |
住宅ローン関連費用 | 繰上げ返済手数料など | 数千円〜数万円 |
引越し・仮住まい費 | 売却後の引越し、仮住まいにかかる費用 | 数万〜数十万円 |
譲渡所得税 | 売却益にかかる税金 | 所得税+住民税(所有年数による) |
確定申告関連費用 | 税理士への依頼など(任意) | 5万〜10万円程度 |
ハウスクリーニングや修繕費 | 美観を整えるための費用 | 任意(数万〜) |
測量費・解体費など | 土地売却や古家付き土地売却時に発生 | 数十万〜100万円以上も |
これらの費用はすべてが必ず発生するわけではありませんが、多くのケースで最低でも4〜6項目の支出があると考えられます。
費用は売却額の3〜7%が目安
実際にどれくらいの費用がかかるかは個々のケースによりますが、一般的には「売却価格の3〜7%」が売主の負担する費用の目安とされています。
たとえば、3,000万円で家を売却した場合の費用イメージは次の通りです。
費用項目 | 概算額 |
---|---|
仲介手数料 | 約105万円(3%+6万円+消費税) |
登記費用 | 約3万円 |
印紙税 | 約1万円(契約金額による) |
譲渡所得税 | 利益が出た場合のみ/数十万〜 |
合計 | 約110〜150万円以上(+税金) |
売却価格が高くなるほど、比例して費用も大きくなるため、事前に概算をしておくことが重要です。
住宅ローンが残っている場合は追加費用も
現在の家に住宅ローンが残っている状態で売却する場合、以下のような追加費用や手続きが発生します。
- 抵当権の抹消登記費用(2〜3万円程度)
- ローン残債の一括返済(売却代金で精算/不足分は自己資金)
- 金融機関への繰上げ返済手数料(無料〜5万円程度/金融機関による)
- 保証料や違約金がかかる場合もある(特にフラット35や一部の銀行ローン)
住宅ローンがある状態で家を売るのは特別なことではありませんが、売却代金でローン完済が可能か、完済後にどれくらいの資金が残るかは慎重に計算しておく必要があります。
家を売却するときの主な費用一覧と金額相場

家の売却では、「売るだけ」と思いがちですが、実際にはさまざまな場面で出費が発生します。
ここでは、売主にかかる主要な費用とその相場について、わかりやすく解説していきます。
仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)
家を不動産会社に仲介してもらって売却する場合、成功報酬として「仲介手数料」が発生します。
これは宅地建物取引業法によって上限が定められており、以下のように計算されます。
仲介手数料の上限(売買価格が400万円超の場合)
仲介手数料 = 売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
【例】3,000万円で売却した場合(消費税10%)
- 3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
- 消費税(10%)= 9.6万円
→ 合計:105.6万円
※仲介手数料は取引額で掛け率は異なります。
印紙税(契約書に貼付/1万〜6万円程度)
売買契約書には**「印紙税」という税金**がかかります。これは契約金額に応じて定められており、契約書に収入印紙を貼って納める形です。
売買価格 | 印紙税額(軽減措置適用) |
---|---|
500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
通常のマイホーム売却であれば、1万円前後が相場です(2026年3月末までの軽減措置あり)。
登記関連費用(抵当権抹消などで2〜5万円)
売却時に住宅ローンが残っていると、不動産に設定された抵当権を抹消する登記が必要です。この手続きには以下の費用がかかります。
- 登録免許税(法務局に支払う税金):1不動産あたり1,000円
- 司法書士への報酬:1万〜3万円前後
合計でおよそ2〜5万円が目安です。
登記は専門知識が必要なため、多くの方が司法書士に依頼しています。
住宅ローンの繰上返済手数料(数万円〜)
ローンが残っている状態で家を売る場合、売却代金で一括返済(繰上返済)するのが一般的です。その際、金融機関によっては繰上返済手数料がかかります。
金融機関 | 手数料の目安 |
---|---|
一部のネット銀行 | 無料 or 数千円 |
地方銀行・メガバンク | 数万円(〜5万円程度) |
※フラット35などの固定金利ローンでは別途「違約金」が発生するケースもあるので、契約内容の確認が必要です。
引越し・仮住まい・不要品処分費(ケース別に紹介)
売却が完了すると、新居への引越しや、売却と新居の購入タイミングがずれた場合の仮住まいが必要になることもあります。また、不要品の処分やハウスクリーニングを行う方も少なくありません。
費用項目 | 目安 |
---|---|
引越し費用 | 5万〜15万円(家族規模・距離による) |
仮住まい家賃 | 1ヶ月8万〜15万円程度 × 月数 |
不用品処分費用 | 1万〜10万円(トラック積み放題など) |
ハウスクリーニング | 3万〜8万円前後 |
仮住まいの有無で大きく変動するため、スケジュールの組み方もコストに直結します。
解体費用・測量費用(築古や土地付き売却時)
土地と古い建物をセットで売却する場合、解体して更地渡しを求められるケースがあります。
また、古い土地では境界線の確認や測量が必要になることもあります。
費用項目 | 目安 |
---|---|
建物解体費用 | 80万〜150万円(木造30坪目安) |
土地測量費用 | 20万〜50万円(状況による) |
築年数が30年以上経過している戸建てでは、解体の要否を早めに確認しておくのが安心です。
司法書士への報酬(2〜10万円程度)
登記関連や抵当権抹消の手続きは、司法書士への依頼が一般的です。報酬の相場は以下の通りです。
- 抵当権抹消登記:2万〜3万円
- 所有権移転登記(買主側が負担):※通常は不要
- その他書類作成や立会い費用など含めて、合計2〜10万円が目安
複数社から見積を取り、信頼できる司法書士と連携している不動産会社を選ぶことも、費用を抑えるコツの一つです。
このように、家の売却にはさまざまな費用がかかります。次のセクションでは、「税金」の仕組みと節税方法について詳しく見ていきます。これを知らないと、売却益の大半を税金に取られてしまうこともあるため要注意です。
家を売って利益が出た場合にかかる税金とは?
家を売却した際に「利益(=譲渡益)」が出た場合、その利益には税金(譲渡所得税)がかかります。
「家を売っても、そんなに儲かるわけじゃない」と思っていても、購入時と売却時の価格差+経費の計算によっては課税対象になることがあります。
ここでは、譲渡所得税の基本的な仕組みや計算方法、税率、試算例、そして見落としやすいリスクについてわかりやすく解説していきます。
譲渡所得税の仕組みと計算方法
家を売却して得た利益は「譲渡所得」として課税されます。計算式は以下の通りです。
譲渡所得の基本計算式
コピーする編集する譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
- 売却価格:実際に家を売った金額
- 取得費:土地建物の購入価格、購入時の諸費用(仲介手数料や登録免許税なども含む)
- 譲渡費用:売却時にかかった費用(仲介手数料、印紙代、測量費、解体費など)
この「譲渡所得」に対して、所得税+住民税+復興特別所得税が課税されます。
長期譲渡と短期譲渡で税率が異なる(5年が境)
税率は、家をどれくらいの期間保有していたかによって大きく変わります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計税率 |
---|---|---|---|---|
5年以下(短期譲渡) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
5年超(長期譲渡) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
📌 所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判断されます。
たとえば、2018年6月に購入した家を2024年12月に売却した場合、所有期間は6年超えとなり「長期譲渡」として扱われます。
実例|1000万円/4000万円売却時の税額シミュレーション
具体的な金額で、税額のイメージを掴みましょう。以下は簡易的な試算です。
【ケース1】購入価格800万円 → 1000万円で売却
- 売却価格:1000万円
- 取得費:800万円
- 譲渡費用:50万円
- 譲渡所得:1000万 −(800万+50万)= 150万円
長期譲渡の場合:
150万円 × 20.315% = 約30.5万円の税金
【ケース2】購入価格2000万円 → 4000万円で売却
- 売却価格:4000万円
- 取得費:2000万円
- 譲渡費用:100万円
- 譲渡所得:4000万 −(2000万+100万)= 1900万円
短期譲渡の場合
1900万円 × 39.63% = 約752万円の税金
かなりの金額が税金として差し引かれることがわかります。
ただし、マイホームの場合は特例で税金を大きく減らせる可能性があります。
取得費が不明な場合は「概算5%」になるリスク
古い家や相続した不動産などで「取得時の価格や書類が残っていない」場合、取得費は「売却価格の5%」とみなされることがあります(=概算取得費)。
例:3000万円で売却、取得費不明の場合
- 取得費:3000万円 × 5% = 150万円
- 譲渡所得:3000万円 −(150万円+諸費用)
→ 実際の取得費が1500万円だった場合と比べて、課税される額が大幅に増加
これは税額にして数十万〜数百万円の差になる可能性があり、非常に大きなデメリットです。
対策ポイント
- 売却前に「購入時の売買契約書・領収書」などを探しておく
- 相続の場合は「相続時評価額」や「登記簿謄本」などで根拠を作る
確定申告は必要?必要な人と不要な人の判断基準

家を売却した後、多くの人が迷うのが「確定申告って必要なのか?」という疑問です。
特に、「自宅を売っただけ」「利益が出てない気がする」と思っていても、実は申告が必要なケースや、申告しておくことで損を防げるケースもあります。
ここでは、確定申告が必要になる条件・不要な場合・税理士への依頼相場・申告のメリットなど、わかりやすく解説していきます。
確定申告が「必要になる条件」とは?
まず、基本的な考え方として、家の売却によって譲渡所得(利益)が発生した場合は、原則として確定申告が必要です。
以下のいずれかに該当する場合、申告が必要です。
確定申告が必要になる主なケース
- 売却によって譲渡所得が発生した
- 3000万円の特別控除などの特例を適用したい
- 相続・贈与などで取得した不動産を売却し、利益が出た
- 損益通算や繰越控除を利用したい(他の所得と相殺する場合など)
- 譲渡所得が非課税でも控除を適用して税額0にしたい
※ちなみに、住宅ローン控除など他の控除制度と同様、特例や控除を適用する場合は「利益が出ていなくても」申告が必要です。
税理士に依頼した場合の費用目安とメリット
確定申告は自分でも可能ですが、不動産売却は計算が複雑なうえ、特例や控除の適用ミスがあると数十万円単位で損をする可能性もあります。
そのため、税理士に依頼する方が安心で確実です。
税理士に依頼した場合の費用目安(実務例ベース)
内容 | 相場 |
---|---|
不動産売却に関する申告書作成 | 5万〜10万円前後 |
複雑な事例(複数物件・相続絡みなど) | 10万〜15万円以上 |
書類作成+税務署への提出代行 | オプション+1万〜3万円程度 |
※税理士の報酬は自由設定のため、地域や業務範囲によって差があります。
相見積もりや初回無料相談を活用すると安心です。
メリット
- 節税チャンスを見落とさない
- 税制改正に強く、最新情報で処理してくれる
- 万一の税務調査にも安心
譲渡所得が非課税になるケースでも申告した方がいい理由
マイホーム売却時の「3000万円特別控除」などを利用することで、税金が0円になるケースも多くあります。
このとき「税金がかからないなら申告不要だよね?」と思いがちですが、実はそれは誤解です。
重要ポイント
特例や控除を適用するには、確定申告が必要です。
つまり、以下のようなケースでも申告を忘れると、自動で非課税にならない=税金が課される可能性があるということです。
申告が必要なのに見落とされがちなケース
- 自宅を売って3000万円以内の利益 → 申告して初めて控除が適用される
- 損失が出た → 申告すれば他の所得と通算できる(損益通算)
控除を使って税額0円になっても、「申告しない=控除を使わなかった」とみなされます。
家の売却にかかる費用を抑える方法・節税テクニック
家を売るときにかかる費用や税金は、何も考えずに進めると数十万円〜数百万円の出費になることもあります。しかし、税制上の特例や、手間をかけることでコストを大きく抑える方法も確実に存在します。
ここでは、「損をしないための売却術」として、節税制度の活用方法と、実務的な節約ポイントをわかりやすく解説します。
3000万円特別控除の適用条件と注意点
家の売却時に最も知られている節税制度が、「居住用財産の3000万円特別控除」です。
✅ この制度を使うと…
→ 譲渡所得から最大3,000万円を非課税にできる!
🔍 適用される主な条件:
- 自分や家族が実際に住んでいた家を売る(居住用)
- 売却前に住んでいたことが明確である
- 売却した年の前年または前々年に同じ特例を使っていない
- 家屋だけの売却でもOK(例:建物取り壊し後の土地)
⚠ 注意点:
- 確定申告が必要
- 親族間売買は対象外
- 譲渡所得がマイナスでも特例は適用不可
この控除だけで実質的な税額が0円になるケースが多数なので、使わない手はありません。
10年以上保有で使える軽減税率
自宅を10年以上保有してから売却した場合は、税率そのものが優遇される「軽減税率の特例」が適用できます。
✅ 軽減税率適用後の税率(長期譲渡・10年超)
譲渡所得額 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 |
---|---|---|---|
6,000万円以下の部分 | 10% | 4% | 14% |
6,000万円超の部分 | 15% | 5% | 20%(通常と同じ) |
この制度は、「3000万円特別控除」と併用も可能です。
控除で利益を3,000万円まで減らした上で、残りに対して軽減税率が使えるという、非常に強力な節税コンボです。
買い替え時の「特定居住用財産の特例」
家を売って新たにマイホームを買い替える人には、「買換え特例」と呼ばれる制度もあります。
✅ 特定居住用財産の買換え特例とは?
→ 売却益が出ても、新たな住まいの取得に使うことで課税を先延ばしできる
🔍 主な適用条件:
- 譲渡した家と、新しく購入する家の両方が「居住用」
- 売却後1年以内に新しい家を取得
- 売却価格が1億円以下(一定の制限あり)
⚠ 注意点:
- 将来、買い替えた家を売るときに課税される可能性あり
- 購入価格が売却価格より安いと、その分は課税対象になる
👉 長期的に住む予定なら有利な制度ですが、「課税を先延ばしにする制度」なので注意して活用しましょう。
仲介手数料は割引キャンペーンも活用できる
意外と見落とされがちなのが、仲介手数料の節約方法です。
実は不動産会社によっては、以下のような割引キャンペーンや手数料定額制を導入しているケースがあります。
活用できる例
- 「売却専任契約」で仲介手数料10〜50%OFF
- 期間限定キャンペーンで「仲介手数料無料」
- インターネット専業業者(IT重説対応)による低コスト化
- 定額制仲介(例:33万円固定など)
複数社に査定依頼を出すだけでも比較の材料になり、交渉の余地も生まれます。
ハウスクリーニング・処分費用は相見積もりが有効
家の売却前に行うハウスクリーニングや不要品処分も、数万円〜十数万円の支出になることがあるため、侮れません。
💡 節約ポイント:
- 複数業者から見積もりを取る(「一括見積サイト」も有効)
- リサイクル可能な家具・家電は「買取業者」も検討
- 自治体の粗大ごみ回収制度を活用(格安・安心)
- 売却相手が「そのままの状態でいい」と言えば費用ゼロも
特に、家財道具が大量にある場合や、親の家を売却する「実家じまい」の場合などは、見積もりの工夫だけで10万円以上の節約になることもあります。
家の売却後に手元に残るお金はいくら?計算式と事例で解説
家を売却する際に、多くの人が気にするのが「最終的に手元にいくら残るのか?」ということです。売却価格=収入と考えがちですが、実際にはさまざまな費用・税金・ローン残債などが差し引かれます。
この章では、売却代金から差し引かれるものの全体像と、売却価格ごとの手取りシミュレーション、そして住宅ローンが残っているケースの注意点についてわかりやすく解説します。
売却代金 −(諸費用+税金)= 実際の手残り額
家の売却で得た金額のうち、実際に手元に残る金額は以下のように算出されます。
📌 手残り額の計算式:
コピーする編集する手元に残るお金 = 売却代金 −(諸費用 + 税金 + ローン残債)
【主な控除項目】
- 諸費用(仲介手数料、印紙税、登記費用など)
- 税金(譲渡所得税 ※利益が出た場合)
- 住宅ローンの残債(あれば)
売却代金そのままが入金されるわけではないため、売却前に必ず試算しておくことが重要です。
売却価格別のシミュレーション(2000万/3000万/4000万円台)
実際の数字で、手元にどれくらい残るのかをシミュレーションしてみましょう(※譲渡所得税は3000万円特別控除を使った前提/住宅ローンなしの場合)。
▶ ケース1:2,000万円で売却
項目 | 金額 |
---|---|
売却価格 | 2,000万円 |
仲介手数料 | 約72万円 |
登記・印紙費用 | 約5万円 |
その他(引越し、クリーニング) | 約15万円 |
手元に残る額 | 約1,908万円 |
▶ ケース2:3,000万円で売却
項目 | 金額 |
---|---|
売却価格 | 3,000万円 |
仲介手数料 | 約105万円 |
登記・印紙費用 | 約6万円 |
その他費用 | 約20万円 |
手元に残る額 | 約2,869万円(税金0円) |
▶ ケース3:4,000万円で売却(譲渡益あり)
項目 | 金額 |
---|---|
売却価格 | 4,000万円 |
仲介手数料 | 約138万円 |
登記・印紙費用 | 約6万円 |
その他費用 | 約20万円 |
税金(譲渡所得500万 × 20.315%) | 約101万円 |
手元に残る額 | 約3,735万円 |
「住宅ローンが残っている場合」の注意点
住宅ローンが残っている状態で家を売却する場合、最優先でローンの残債を返済する必要があります。これは、「抵当権(銀行の担保)」を抹消しなければ買主に引き渡せないためです。
📌 手残り金の計算式(ローン残あり)
コピーする編集する手元に残るお金 = 売却代金 −(諸費用 + 税金 + ローン残債)
▶ 例:売却価格3,000万円/ローン残1,200万円
- 諸費用・税金:130万円
- ローン返済:1,200万円
- 手元資金:約1,670万円
❗ 注意ポイント:
- 売却価格 < ローン残債 の場合、自己資金で差額を補填する必要あり
- 事前にローン残債を金融機関に確認しておく
- 「任意売却」などの選択肢もあり(条件付き)
家を売却する際の流れと費用が発生するタイミング
家の売却には複数のステップがあり、それぞれの段階で必要な手続きや費用が発生します。流れを把握していないと、「このタイミングで費用がかかるの!?」と慌ててしまうことも。
ここでは、売却の一般的なプロセスを3ステップに分けて、どの段階でどの費用が発生するのかを具体的に解説します。
STEP1|査定依頼(無料〜)で相場を把握
家の売却は、まず「いくらで売れるのか」を知ることから始まります。
不動産会社に査定を依頼すれば、築年数・立地・面積・周辺相場などをもとに売却予想価格を算出してもらえます。
✅ 査定方法と費用
査定方法 | 内容 | 費用 |
---|---|---|
簡易査定 | ネット上で概算価格を算出 | 無料 |
訪問査定 | 担当者が実地確認し、正確な価格を提示 | 無料(原則) |
📌 費用はかからないのが一般的ですが、「媒介契約」後にキャンセルすると違約金が発生する会社もあるため、慎重に選びましょう。
🔍 ポイント:
- 査定は複数社から取るのが鉄則(相場感をつかめる)
- 高額査定=優良とは限らないので、「売却実績」も確認を
STEP2|売買契約〜決済(印紙税・登記費用などが発生)
購入希望者が現れたら、いよいよ売買契約の締結に進みます。
この段階では、重要な法的手続きが発生し、実際の費用負担がスタートします。
✅ 発生する主な費用とタイミング
タイミング | 費用項目 | 相場 |
---|---|---|
売買契約時 | 印紙税 | 1万〜3万円程度(売買金額による) |
売買契約時 | 仲介手数料(半額) | 総額の50%(後払いも選べる) |
決済前後 | 抵当権抹消登記費用 | 約2万〜5万円 |
決済時 | 残りの仲介手数料 | 残額全額(+消費税) |
📝 補足:
- 契約時点では、買主から**手付金(売買価格の5〜10%)**が支払われることが多い
- この手付金で、印紙税や登記費用をまかなう人も
STEP3|引渡し・確定申告の準備(必要書類と期限)
決済が完了すれば、買主へ不動産を引き渡して売却は完了となります。
ただし、これで終わりではなく、譲渡所得がある場合や特例を使いたい場合は「確定申告」の準備が必要です。
✅ 売却後の主なタスクと費用
項目 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
引渡し | 引越し、ハウスクリーニング | 5〜20万円前後 |
書類準備 | 登記簿謄本、売買契約書、取得費の証明書類など | 自力で集めれば実費数千円 |
確定申告(翌年2月〜3月) | 税理士報酬(任意) | 5万〜10万円程度 |
📌 必要書類の一例:
- 売買契約書
- 登記済権利証または登記識別情報
- 購入時の契約書または領収書
- 仲介手数料の領収書
- 測量図・境界確認書(あれば)
- 各種経費の領収書
👉 これらは譲渡所得の計算に必要な証拠書類になるため、売却時点でしっかり保管しておくことが大切です。
家の売却に関するよくある質問(Q&A)
家の売却を検討している方が抱きがちな疑問や不安について、よくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
-
家を売ったら確定申告は絶対に必要?
-
ケースバイケースですが、多くの場合で必要になります。
- 売却により利益(譲渡所得)が発生した場合
- 「3000万円特別控除」などの税制優遇措置を使いたい場合
- 損失が出ても、損益通算や繰越控除を使う場合
一方で、譲渡所得がなく特例も使わないなら、申告が不要な場合もあります。
ただし、「税金がかからない=申告しなくてOK」とは限らないので要注意です。-
4000万円で家を売ったら、税金はいくら?
-
税額は、購入時の価格・経費・所有年数・控除の有無によって大きく変わります。
▶ 例:購入価格2,500万円 → 4,000万円で売却
- 取得費:2,500万円
- 譲渡費用:100万円(仲介手数料など)
- 譲渡所得:4,000万 −(2,500万+100万)= 1,400万円
→ 3000万円特別控除を使えば譲渡所得は0円になり、税金はかかりません。
特例が使えない場合、長期譲渡なら20.315%、短期譲渡なら39.63%の税率がかかります。
-
1000万円で売っても税金は発生するの?
-
基本的には「譲渡益」がなければ税金は発生しません。
▶ 例:購入価格950万円 → 1000万円で売却
- 譲渡所得:1000万 −(950万+諸費用)= ほぼ0円〜数十万円
- 3000万円控除を使えば、課税なし
ただし、購入時の資料(取得費)がない場合、「概算取得費」として売却額の5%しか認められず、実際より多くの利益が出たとみなされることがあるので注意が必要です。
-
仲介手数料はいつ、誰に支払うの?
-
仲介手数料は、売買契約が成立したタイミングで発生する「成功報酬」です。
▶ 支払いのタイミング
- 契約締結時に「半額」または「全額」を請求されることが一般的
- 決済完了時(買主への引渡し時)にまとめて支払うケースもあり
▶ 支払う相手
- 仲介を依頼した不動産会社に支払います
手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限ですが、キャンペーンや交渉で割引になることもあります。
-
家を売却して損した場合、税金はどうなる?
-
損失が出た場合、税金はかかりません。むしろ、一定の条件を満たせば、他の所得(給与所得など)と損益通算できる場合があります。
▶損益通算・繰越控除が使える条件
- 自宅(マイホーム)を売却して損失が出た
- 同一年内の給与所得などから差し引ける(損益通算)
- 控除しきれなかった分は翌年以降3年間繰り越せる
この制度を使うには、損失が出ても確定申告が必要なので、書類は必ず保管しておきましょう。
まとめ|費用と税金を正しく把握して、後悔のない売却を
家の売却は人生の中でも大きな決断のひとつです。
「いくらで売れるか」だけでなく、**「どれだけ費用がかかるか」「税金はどうなるか」「最終的にいくら手元に残るか」**をしっかり把握しておくことで、トラブルを避け、納得のいく売却につながります。
ここでは、もう一度、売却時に押さえておきたい重要なポイントを振り返りましょう。
まずは「費用総額の把握」と「税金対策」から始めよう
家の売却にかかる費用は、仲介手数料・印紙税・登記費用・クリーニング・税金など、多岐にわたります。これらを合計すると、売却価格の3〜7%程度になるケースもあります。
また、売却で利益が出た場合は譲渡所得税が課税対象となり、3000万円特別控除や軽減税率などの節税制度を活用するかどうかで手元資金に大きく差が出ます。
- 見積もりの際に「かかる費用一覧」を整理する
- 控除や特例の条件や申告手続きを早めに確認しておく
これが後悔しないための第一歩です。
複数社に査定して「高く売る」+「安く抑える」がポイント
売却価格そのものを高くできれば、それだけで手残り額は大きくなります。
そのためにも、不動産会社に査定を依頼する際は必ず複数社に比較・相談することが重要です。
あわせて、次のようなコストカットの工夫も有効です:
- 仲介手数料の割引キャンペーンを活用
- 不用品処分やハウスクリーニングは相見積もり
- 自治体の解体補助金制度などの調査
「高く売る × 費用を抑える」この両軸で進めることで、最大限の手残り資金を実現できます。
資金計画を立てれば、次の住まい選びも安心
売却によって得たお金は、新居の購入や引越し費用、生活再建の大きな資金源となります。
だからこそ、早めに売却後の手残り額をシミュレーションしておくことが、新生活の不安を減らすポイントになります。
- 売却価格と費用・税金から手元に残る資金を試算
- 住み替えの時期や予算に無理のない計画を立てる
- 必要に応じて住宅ローンや仮住まいの段取りも検討
後悔のない売却は、「情報の把握」と「計画的な準備」から始まります。
不動産売却はわからないことだらけで不安も多いですが、正しい知識を持つことで、節税しながら効率的に手元資金を最大化することが可能です。
次のライフステージが、さらに快適で安心なものになりますように。
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