家づくりの基本ステップを解説|計画から完成まで丸わかり家を建てる流れを解説 初心者でも安心のステップ&注意点

「家を建てたいけど、何から始めればいいのか分からない」

そんな不安を感じていませんか?

家を建てるには、資金計画や土地探し、設計・施工など、いくつものステップがあります。

流れを正しく理解していないと、思わぬトラブルや予算オーバーにつながることも。特に初めて家づくりをする方にとっては、専門用語や手続きが多く、混乱しやすいのが現実です。

本記事では、家を建てる流れを初心者にもわかりやすく解説

注文住宅と建売住宅の違いから、資金計画、土地購入、施工の進め方まで、家づくりの全体像がひと目でわかる構成になっています。

理想のマイホームを手に入れるために、まずは「家を建てる流れ」をしっかり把握し、計画的な一歩を踏み出しましょう。

家を建てる前に知っておきたい基本情報

家を建てるというのは、多くの人にとって人生で最も大きな買い物のひとつです。

理想のマイホームを実現するためには、事前に必要な知識をしっかりと身につけておくことが重要です。

マイホーム選びのポイント

  • 注文住宅と建売住宅の違い
  • 家を建てるのにかかる期間と費用の目安
  • 土地探しと家づくり、どちらが先?

注文住宅と建売住宅の違い

家を建てる際には、「注文住宅」と「建売住宅」のどちらを選ぶかが最初の分かれ道になります。

それぞれの違いを正しく理解して、自分たちに合った住宅のかたちを選びましょう。

注文住宅とは?

注文住宅とは、土地の購入から建物の設計・建築までを自由に決められる住宅のことです。

建物の間取りや外観、使用する建材、設備仕様まで、施主の希望に応じてオーダーメイドで設計できます。

メリット
デメリット
  • 間取りやデザインを決められる。
  • 好きな建材や設備を選べる。
  • 家族構成に合った設計ができる。
  • 性能にこだわれる。
  • 土地を自由に選べる。
  • 打ち合わせに時間がかかる。
  • 費用が高くなることが多い。
  • 決めることが多くて大変。
  • 着工後に変更しにくい。
  • 土地探しから始める必要がある。
  • 完成まで実物が見えない。

建売住宅とは?

一方、建売住宅はあらかじめ建築された住宅や、設計済みで販売されている住宅を購入する形式で、土地と建物がセットで販売されています。

メリット
デメリット
  • 価格がわかりやすい
  • 注文住宅より安く買える場合がある
  • 完成済みの家を見てから選べる
  • 購入後すぐに住める
  • 手続きが比較的シンプル
  • 分かりやすい価格
  • 間取りやデザインを選べない
  • 希望に完全には合わない
  • 似たような外観・内装が多い
  • 土地の選択肢が限られる。
  • 完全に希望通りにならない

どちらを選ぶかは、予算やライフスタイル、入居時期の希望に応じて判断することが大切です。


家を建てるのにかかる期間と費用の目安

家を建てるにはどれくらいの時間と費用がかかるのか、あらかじめ把握しておくことでスムーズに計画を進めることができます。

まず期間についてですが、注文住宅の場合は一般的に6か月から1年程度かかります。

土地探し、設計打ち合わせ、建築工事といった工程があるため、どうしても時間は長くなります。

一方、建売住宅はすでに完成している場合も多く、購入から入居まで1〜3か月程度で済むことがほとんどです。

次に費用についてですが、家づくりにかかる総額は建物の大きさや仕様、土地の立地によって大きく異なります。

全国平均注文住宅の参考価格
建物の本体価格2,000万円〜3,500万円程度
1,000万円〜2,000万円1,000万円〜2,000万円
諸費用(登記、税金、ローン手数料など)200万円〜300万円
トータル3,500万円〜5,000万円

※地域によって価格は異なります。

また、住宅ローンを利用する場合は、月々の返済額も重要な検討ポイントです。

たとえば4,000万円の住宅ローンを金利1.0%、35年ローンで組むと、毎月の返済は約11万円前後になります。将来の生活設計も踏まえて、無理のない返済計画を立てることが重要です。


土地探しと家づくり、どちらが先?

家を建てる際には、「土地を先に探すべきか」「家の設計を先に考えるべきか」という疑問を持つ方も多いでしょう。

家づくり計画

  • 資金計画
  • 土地探し
  • 建物の設計
  • 建築

実際のところ、家づくりの流れは「」が一般的です。

まずは資金計画を立て、自分たちがどれくらいの予算で土地と建物を購入できるのかを把握します。

そのうえで、希望のエリアや通勤・通学の利便性、周辺環境などを考慮しながら土地を探します。土地が決まったら、その土地に合わせて建物の設計を進めていきます。

ただし、最近ではハウスメーカーや工務店と一緒に土地探しを進めるケースも増えています。

この方法では、プロの視点から「その土地にどんな家が建てられるか」「法的制限があるか」などを考慮しながら提案してくれるため、家づくりの失敗リスクを下げることができます。

とくに注文住宅を検討している場合は、「土地と建物をセットで考える」という意識が大切です。

土地の形状や方角によっては希望の間取りが実現できないこともあるため、建築の専門家と連携して土地探しを進めることをおすすめします。


家を建てる流れ【全体スケジュール】

家づくりは、一般的な流れを8つのステップに分けて解説します。

それぞれの工程で何をするのかを理解しておくことで、スムーズな家づくりが可能になります。

ステップ①:資金計画を立てる

家を建てる前に、まず総予算を明確にすることが大切です。

自己資金として準備できる金額を算出し、不足分は住宅ローンで補います。

一般的に、自己資金は物件価格の1〜2割が目安とされます。

住宅ローンの種類

  • 固定金利型(返済額が一定で安心)
  • 変動金利型(金利が安くスタートできる)
  • フラット35(長期固定・繰り上げ返済可能)

金融機関によって条件や金利が異なるため、複数社を比較検討することが重要です。

また、諸費用(登記・保険・手数料など)も別途必要なので、建物本体以外の費用も含めた資金計画を立てましょう。

ステップ②:土地を探す・購入する

予算が決まったら、希望エリアの土地探しを始めます。

通勤・通学の利便性、日当たり、周辺環境などを考慮しましょう。

土地選びのポイント

  • 建ぺい率・容積率に注意
  • 地盤の強さ(改良工事が必要な場合も)
  • 上下水道やガスの引き込み状況

気に入った土地が見つかれば、不動産会社と契約を結び、土地代金の支払いと所有権移転登記を行います

この段階で、住宅ローンの「土地先行融資」が必要になる場合もあります。

ステップ③:ハウスメーカー・工務店選び

土地が決まったら、家を建てるパートナーを選びます。

大手ハウスメーカーは安心感や保証制度が充実しています。

地域の工務店は柔軟な対応やコストパフォーマンスに優れています。

選定時のチェックポイント

  • 過去の施工事例
  • 担当者の対応力・信頼性
  • 保証やアフターサービスの内容
  • 見積もりの内訳と明確さ

複数社を比較し、自分たちの理想と予算に合う会社を選ぶことが大切です。

ステップ④:間取り・デザインの打ち合わせ

設計士や営業担当と一緒に、家の間取りや内装・設備を決めていきます。

家族構成やライフスタイルに合わせて、無駄のない設計を心がけましょう。

主な打ち合わせ内容

  • 間取り(LDK、収納、動線)
  • 外観デザイン
  • 内装・設備(キッチン、浴室、床材など)
  • 断熱・耐震性能などの仕様

この段階で細かい部分までしっかり決めておくことで、着工後のトラブルを防げます

変更があると追加費用や工期の遅れにもつながるため、慎重に進めましょう。

ステップ⑤:住宅ローンの申請・契約

設計内容と建築費用が確定したら、住宅ローンの本申請に進みます。

審査に必要な書類(収入証明、本人確認書類、建築確認申請書など)を提出します。

審査通過後、金融機関と金銭消費貸借契約(ローン契約)を結びます。

この段階で、火災保険・団体信用生命保険などの加入も必要です。

ローンの契約が完了すれば、いよいよ工事のスタートです。

ステップ⑥:着工・上棟

住宅ローンの融資が実行されると、工事が始まります。

地鎮祭を行い、基礎工事→骨組み→屋根・外壁へと進みます。

工事中には定期的な進捗確認や、中間検査・完了検査があります。

家が形になってきたタイミングで「上棟式」を行うこともあります(任意)。

工期の目安は、木造住宅で4〜6か月程度です。

天候や資材の調達状況により、工期が延びるケースもあるため、スケジュールには余裕を持ちましょう。

ステップ⑦:完成・引き渡し

建物が完成すると、施主立ち会いの「竣工検査」が行われます。

キズや設備の不具合がないかを確認し、問題がなければ引き渡しとなります。

引き渡しの確認事項

  • 鍵の受け取り
  • 登記手続き(所有権保存登記)
  • 残代金の支払い(ローンの実行)

ここまで来れば、夢のマイホームがついに完成です。


ステップ⑧:入居・アフターサービス

引き渡しが終われば、家具の搬入や引っ越しをして、入居となります。

入居後も、定期点検や保証制度を活用して、長く快適に住めるようにしましょう。

不具合やメンテナンスの相談は、施工会社やハウスメーカーのサポート窓口に連絡します。

また、引っ越し後の住所変更や各種手続き(電気・水道・ネット契約など)も忘れずに行いましょう。


家づくりの成功のカギ!注意すべきポイント

家づくりは、夢を形にする一方で、失敗すると後悔の残る大きな買い物になります。

理想の住まいを実現するためには、予算や契約内容、施工の管理など、各段階での注意が必要です。

ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。

予算オーバーを防ぐには?

理想を追い求めるあまり、当初の予算を大きく超えてしまうケースは少なくありません。

予算オーバーを防ぐためには、最初の資金計画で「建物本体価格」だけでなく、外構、登記費用、火災保険、引っ越し費用、家具の購入費なども含めて全体像を把握しておくことが大切です。

また、ハウスメーカーの「標準仕様」と「オプション仕様」の違いには特に注意しましょう。

見積もりの中に含まれている内容を細かく確認し、設備や素材の変更がある場合は事前に価格差も明確にしておくべきです。

後から「あれもこれも必要だった」と追加になると、あっという間に数十万円〜百万円単位の出費が発生してしまいます。

大切なのは、要望に優先順位をつけることです。「本当に必要なこと」と「こだわりたいけれど妥協できること」を切り分けることで、予算内での満足度の高い家づくりが可能になります。

契約前にチェックすべき重要書類

契約を結ぶ前に確認すべき書類は多岐にわたります。

代表的な書類

  • 工事請負契約書
  • 設計図・仕様書
  • 見積書

工事請負契約書には、工期や支払い条件、キャンセルに関する取り決めが書かれています。

これを曖昧なまま進めてしまうと、後にトラブルが起きた際に不利になることがあります。

また、設計図や仕様書に記載されている内容と、打ち合わせで話した内容が一致しているかもよく確認してください。

小さな認識違いが、完成後の「イメージと違った」という後悔につながるケースは多いです。

見積書に関しても、総額だけを見るのではなく、各項目の内訳までしっかり把握することが重要です。不明な費用や、含まれていない項目がないかを事前にチェックし、必要に応じて修正を依頼しましょう。

工事中のトラブルを防ぐ方法

実際の施工が始まると、家づくりはいよいよ現実味を帯びてきます。

しかし、ここでも油断は禁物です。工事中のトラブルは、完成後の後悔につながる大きな要因になります。

まず、着工前には最終的な設計内容や仕様をしっかり確認し、不明点がないようにしておきましょう。

工事が始まった後の変更は難しく、コストも膨らみやすいためです。

次に、可能な限り現場には足を運び、進行状況を自分の目で確認することをおすすめします。

進捗が図面通りになっているか、資材は正しく使われているかを把握することで、早期にミスや不備に気づけることがあります。

また、現場監督や担当者との連絡を密にし、気になる点があれば遠慮せず相談しましょう。やり取りの記録を残しておくと、万が一のトラブル時にも役立ちます。

最後に、完成後の「竣工検査」では引き渡しを焦らず、壁や床、設備の状態までしっかり確認しましょう。

不具合やキズが見つかった場合は、その場で修正依頼をすることが大切です。


Q&A|よくある質問

家を建てるのに最適な時期は?

家を建てる時期に「絶対的な正解」はありませんが、計画を立てやすい時期・コストを抑えやすい時期はあります。

例えば、年度末(3〜4月)や秋(9〜11月)は天候が安定していて工事がスムーズに進みやすく、引っ越しもしやすい時期とされています。特に小さなお子さんがいる家庭では、新学期に合わせて春の入居を目指すケースが多く見られます。

一方で、ハウスメーカーや工務店がキャンペーンを実施する決算期(1〜3月)や、需要が落ち着く夏場(7〜8月)は、条件の良い土地やお得なプランに出会えるチャンスもあります。

「子どもの進学」や「住宅ローン控除の期限」など、家族のライフプランに合わせた時期選びが何よりも大切です。

自己資金はいくら必要?

住宅を購入する際には、多くの人が住宅ローンを利用しますが、すべてを借り入れでまかなうのではなく、一定の自己資金が求められます。

目安としては、物件価格の1〜2割程度(300万〜600万円前後)が一般的です。たとえば、4,000万円の住宅なら400万円〜800万円ほどの自己資金があると安心です。

自己資金は、土地代や建物代だけでなく、諸費用(登記・火災保険・印紙代・外構工事など)にも充てる必要があるため、全体の費用をあらかじめ見積もっておきましょう。

また、住宅ローンの審査では、頭金の有無や自己資金の割合が信用評価に影響する場合もあります。余裕を持った資金計画を立てることで、ローンの条件が有利になる可能性も高まります。

坪単価の目安はどれくらい?

坪単価とは、住宅1坪(約3.3㎡)あたりにかかる建築費用のことです。建築コストを比較する際の基準としてよく使われます。

注文住宅の場合、坪単価は全国平均でおよそ60万〜90万円程度が目安とされています。ただしこれはあくまで参考値であり、実際の坪単価は以下の要因によって大きく変動します。

  • 建築会社(ハウスメーカーか工務店か)
  • 建物の構造(木造・鉄骨造など)
  • 地域(都市部ほど高額になる傾向)
  • 設備や内装のグレード

たとえば、シンプルな仕様で建てるローコスト住宅なら40万〜50万円台の坪単価で建築可能なこともあります。反対に、デザインや素材にこだわると100万円以上になるケースもあります。

見積書に記載された金額だけでなく、「どこまでの工事が坪単価に含まれているか」も確認することが重要です。

ハウスメーカーと工務店、どっちがいい?

どちらが「いいか」は一概に言えず、それぞれに特徴とメリットがあります。選ぶ際には、自分たちの重視するポイントに合っているかどうかを基準にしましょう。

ハウスメーカーは、規模が大きく、全国展開している企業が多いため、品質管理やアフターサービスが整っています。展示場などで実際の建物を見られるのも魅力のひとつです。安定した施工品質と明確な価格設定を求める方には向いています。

一方、工務店は地域密着型で、柔軟な設計やコスト調整がしやすいのが特徴です。要望に応じた自由な設計や、予算に合わせた提案をしてくれるところが多く、オリジナリティを重視する方に好まれます。

担当者との相性や対応の丁寧さも、最終的な満足度に直結します。複数社に相談・比較し、自分たちに合うパートナーを見つけることが成功のカギです。


【まとめ】焦らず、でもしっかり準備をして理想のマイホームを

家づくりは決して短期間で終わるものではなく、資金計画・土地探し・設計・施工と、いくつものステップを踏んでようやく形になる一大プロジェクトです。

初めてのことばかりで不安に感じる場面もあるかもしれませんが、大切なのは「焦らず、一つひとつ確実に進めていくこと」です。

そのためには、正しい知識を身につけ、信頼できるパートナーと出会い、自分たちのライフスタイルや将来を見据えた家づくりを意識することが重要です。

費用やスケジュール、間取りの決定など、迷うことも多いですが、しっかりと準備を重ねれば、きっと満足のいく住まいが手に入るはずです。

「家を建てる」という選択が、あなたやご家族にとって後悔のない素晴らしい経験となるよう、計画的で丁寧な家づくりを心がけてください。

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